※このコラムは北九州地区労連の機関紙「北九州地区労連ニュース」の労働コラムより掲載しています。
● 15年04月14日 労働法コラム

労働法コラム 第4回 解雇された場合の対応は?



黒崎合同法律事務所: 弁護士 平山 博久

 

1418181 突然の解雇

解雇に関する法理についてはご存じの方も多いと思いますが、改めて整理して考えてみましょう。

突然ですが、「君は明日から来なくて良い。解雇だよ。」といわれた場合、あなたならどうしますか?

2 無効な解雇?

まず、労働者は労働関係の法律によってその地位が守られています。

すなわち、解雇には、「客観的に合理的な理由」、「社会通念上相当」と認められる事情が有効要件とされています。そのため客観的合理的理由・社会的相当性の要件を欠く解雇は無効となるのです。

労働関係法に疎い使用者は、1月分の解雇予告手当を支払いさえすれば理由は問わず有効に解雇できると考えているようですが、それは明らかな誤りなのです。

3 解雇が無効の場合の法律関係

  •  それでは解雇が無効となった場合、労働契約はどうなるのでしょうか?

答えは、解雇が無効である以上、労働契約関係は続いている、となります。

  •  では、労働契約関係が続いている以上、賃金は請求できるのでしょうか?

特に、労働者は、解雇の告知を受けた以降は現実に働いていないケースがほとんどですから問題となりそうです。

答えは、請求できる、となります。

労働者による労務の提供ができなくなったのは、使用者の違法無効な解雇という使用者の責めに帰すべき事由によるものであるため、賃金請求権は失わないということになるのです。

但し、ここで注意が必要であるのは、あくまで労働者側が就労する意思がなければ賃金請求権が発生しないということです。ですから、労働者が解雇告知された後になんらの行動をとらない場合、解雇は無効であっても、同時に労働者に働く意思がなかったとして賃金請求が否定される場合があるのです。

  •  その他、解雇無効の裁判が長期化した場合、労働者は賃金がない状態で生活をすることになります。先に賃金の仮支払などが認められていれば良いのですが、複雑な事案であって仮払が認められにくい事案もあります。

その場合、生活のために解雇後に他の会社などで臨時的に就職して賃金を受け取る場合もあります。

この点、仮に解雇が無効であり、就労意思があれば、賃金請求が認められるわけですが、その期間並行して他社からの賃金も受け取っていることから、解雇無効の期間中受け取れる賃金と他社から受け取った賃金との調整をどうするかという問題もあります。裁判所の結論は解雇期間中の平均賃金の6割までの部分を利益償還の対象とすることはできないというものです。要は、解雇が無効と判断された場合、他社から受け取った賃金の全てが本来受け取るべき賃金から控除されるわけではなく、本来もらうべき平均賃金の6割以上は保障されるのです。

 

4 以上、解雇に関する法律問題の総論を整理してみました。

これらの権利救済は、労働組合による団体交渉、仮処分、労働審判、本裁判などの手続きを通じて実現していくことができますので、不当解雇でお困りの方はまずは組合・弁護士等にご相談されることをお勧めします。


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