※このコラムは北九州地区労連の機関紙「北九州地区労連ニュース」の労働コラムより掲載しています。
● 15年04月16日 労働法コラム

労働法コラム 第8回 パワハラにあったら、くよくよせずまずは相談を!



黒崎合同法律事務所: 弁護士 東  敦子

 

傷病(うつ病など)を理由の解雇は簡単にできない

054759また、当事者の方の体調が思わしくなく、従前の職に復帰することが困難な事例であっても、他の業務で労務提供ができる場合もあります。このような場合、会社が即座に解雇することが許されるかが問題となります。

この点、私病を理由に、軽易な作業への配転を求めたところ、会社がこれを拒否し、自宅療養命令を発して賃金支払をしなかった事案において、最高裁判決(片山組事件・平10年4月9日)は、当該労働者の配転が可能であるか否かを検討して、賃金請求権の有無を決すべきとしました。この判示内容は、傷病等により従前の職務への復帰が困難であることを理由とする解雇(退職扱い)の場合にも当然に妥当すると考えられています。従前の職務に復帰できずとも他に就労可能な職務があるにも拘わらず、そのような配置転換を検討せずになされた解雇は無効と解すべきでしょう。

世間では「新型うつ」などという言葉も出てきて、あたかも「打たれ弱い人」が増えてきたかのように、それを批判する風潮もあります。しかし、実際に苦しんでいる人たちの話を聞けば聞くほど、打たれ弱いのではなくて、打たれ強い人が我慢に我慢を重ねて心の中のコップの水があふれてしまったことがよくわかります。そしてそのような人にちっとも優しくない、むしろ追い打ちをかけるような社会の風潮があります。そんなとき「あなたは何も悪くないよ。」と声かけし、支える体制を作ることが、社会に対する信頼を取り戻し、一歩ずつ進んでいくきっかけになると思います。

 

一人で悩まず地域ユニオンや弁護士に相談を!!

弁護士が求められる役割、専門性をもう一度自覚して、これからも当事者の方に適切なサポートができるようがんばっていきます。


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