※このコラムは北九州地区労連の機関紙「北九州地区労連ニュース」の労働コラムより掲載しています。
● 15年04月16日 労働法コラム

労働法コラム 第12回 固定残業制について



黒崎合同法律事務所: 弁護士 溝口 史子

 

136523「固定残業給」や「手当」が支給されている場合、労働者は割増賃金(残業代)を請求することができないのでしょうか。

  1. 「固定残業制」とは、実際に時間外労働をしたかどうかや、時間外労働の時間はどの程度だったかにかかわらず、一定時間分の定額の割増賃金を支給し、その他の割増賃金を支給しないという制度です。
    裁判例では、固定残業給が、実際の時間外労働時間から計算される割増賃金を下回る場合、労働者は不足する割増賃金を請求できるとされています。
  2. また、労働者に「役職手当」や「営業手当」等の「手当」が支給されている場合について、裁判例は、「手当」の実態が時間外労働の対価ではなく、職責や職務の遂行自体に対する対価(例:労働者に責任を自覚させやる気を起こさせるもの、実際の労働時間とは全く無関係に算定されるもの、基本給が少なく実質的には基本給と評価できるもの等)にあたるときには、「手当」を時間外手当と扱うことはできないとしています。この場合も、労働者は割増賃金を請求することができます。
    また、「手当」が時間外手当にあたる場合であっても、「手当」が実際の時間外労働時間から計算される割増賃金を下回る場合には、労働者は固定残業給と同じように、差額分の割増賃金を請求できます。
  3. では、使用者から、「基本給に割増賃金分が含まれているから割増賃金を払わない」と言われた場合、割増賃金の請求はできないのでしょうか。
    裁判例は、支払われる基本給等について、時間外労働等に対する割増賃金部分と、通常の労働時間に対する賃金部分を明確に区別できない限り、使用者は時間外手当を支払わなければならないとしています。
  4. このように、体裁上「固定残業給」「手当」「割増賃金含みの基本給」が支給されていたとしても、必ずしも割増賃金の請求を諦める必要はありません。おかしいと感じたら、組合や弁護士までご相談ください。

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