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● 17年08月01日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №193 若松高校奨学金事件 ③ 不作為の違法確認の訴え



原告らの要求は奨学金を支給してもらいたいということである。従って裁判としても、奨学金を支給せよという裁判を提訴できれば一番いいわけであるが、司法の限界というものがあり、当時は日本では行政を義務づける「義務づけ訴訟」というのは認められていなかった。

現在は行政法の改正が行われ、義務付けの訴えが認められるようになった。そこで諫早湾埋め立て問題では漁民が国に開門せよという訴えをしてこれが認められた。

昭和52年当時は行政がそのなすべき業務をなさない時には不作為(ある業務をしない)の違法確認という裁判しか認められていなかった。法は違法の確認の判決がくだされれば行政は判決に従って義務を履行するであろうと期待したのである。

そこでやむなく私達は北九州市教育委員教育長を相手として不作為の違法確認の訴訟を福岡地方裁判所へ提訴した。

本件裁判の意義は「窓口一本化」を打破することである。「窓口一本化」とは、同和対策事業は解同の承認がなければ受けられない制度のことをいう。

北九州市のいい分は同和対策事業は属地属人主義で、対象地区住民以外は受けられない。その誰が対象地区住民であるかどうかは北九州市当局にはわからないから解同にやってもらうということである。この北九州市のいい分は何回も裁判に負けているから説明の必要はないかも知れないが、私達の反論は次のとおりである。

このような「窓口一本化」 は解同の糾弾によって多くの地方自治体が採用していたが、市民の批判、裁判での敗訴、国の指導などで、すべて改められ、今では政令指定都市では北九州市だけになっている。

他の地方自治体にできることが、北九州市だけできないことはありえない。


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