● 18年05月11日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士3 №07 「司法試験」その2



私は、幼き頃より勉強が嫌いだった。

私達は、その頃日曜日の模擬試験にむけて、月曜日から土曜日まで図書館で勉強した。一日10時間勉強する仲間もいた。

しかし、勉強が嫌いな私は、月曜日は全く勉強が出来なかった。

火曜日は2時間、水曜日は6時間、木曜日は7時間、金曜日が8時間、土曜日は5時間位しか勉強できなかった。

司法試験といっても所詮は暗記である。

ところが、私には記憶力が無かった。覚えてもすぐに忘れた。ざるで水を汲むようなものだった。記憶力が無いのは、遺伝であるからしかたがない。

私が自分の許せなかったのは、私の意思力の無さである。勉強しようと思えば、一日10時間は勉強できるのに、それが私にはできない。私には、努力とか克己心が欠落していた。

私は、「なんて俺はダメな男なのか」と、苦しんだ。

私の父は、小学校の教師である。私の親戚に法律家は一人もいない。

そもそも、私は司法試験勉強を付き合いで始めたにすぎない。

私は何度も勉強をやめようと思った。そんな私を吉野弁護士は模擬試験の解答で励ました。

私はそれを読んで、「俺はこの試験に合格しないと一生ダメな男で終ってしまう。何としてもこの壁は、突破するしかない」と決意した。

やがて二年たって、私達の仲間の内で優秀だった4名が現役で合格した。

できの悪い生徒であった私も、一年留学して5年生で合格した。

当初は、20名で出発した仲間たちも、何人かは途中で落伍し、最後まで受験勉強を続けた仲間はほとんど5年生で合格した。

できの悪い生徒であった私が、司法試験に合格し今日弁護士をしているのは、吉野弁護士と仲間達のおかげである。

今でも吉野弁護士の古希の祝いや中山弁護士の傘寿の祝いに皆が集まっている。


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