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● 18年08月01日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士3 №15 前野宗俊氏と共に② 谷市長事件



事件が起こった時、新聞は「谷市長肋骨を折る」という見出しで報道した。左第七、第六肋骨骨折の診断で約1ヶ月の安静治療が必要と報道した。そして、戸畑署は傷害と暴力行為の疑いで捜査を始めた。

起訴状は、なぜか傷害の点は全く触れておらず、昭和43年10月16日、北九州市職労の幹部3名が公務執行妨害罪で起訴された。傷害で起訴されなかったのは、その証拠がないからである。このようなでっち上げ事件を私達は『刑事弾圧』という。

私達はまず証拠開示を要求した。

「裁判長、谷証人の尋問に入る前提として、谷証人や側近の供述調書の開示をして欲しい。検察官に尋ねますが、谷証人の供述調書はあるでしようね。」これに対し、検察官は。「あるかないかも答えられない。」と言った。

前野氏が発言した。

「今の検察官の発言は裁判を愚弄するものである。なぜ本件裁判だけ特別扱いをするのですか。普通の裁判では供述調書を開示するのに本件だけ隠して出さないというのは、何か検察官にとって不利なものがあるからに外ならない。検察庁法第四条には「検察官は裁判所の法の正当な適用を請求し」と書いてある。正当な適用を請求する法的義務がある。検察官の本件訴訟での態度は明らかに法違反である。」

それから、谷市長の尋問を6回、合計20時間以上した。谷市長は前野氏の質問には「はい。」と答えたが、私の質問には「いいえ。」と答えた。質問者の人格の差だろうか。

最終弁論をするために湯布院ハイツで合宿をした、豪傑はいびきが激しい。

一泊した翌日の朝食の時、

吉野高幸弁旛士

「前野、お前のいびきがうるさくで昨夜は俺は一睡もできなかった。」

前野弁護士

「何をおっしやる吉野先生。私は先生のいびきがうるさくて一睡もできなかうた。」

「事実誤認です。昨夜は私が真ん中で私達は川の字になって眠りました。吉野先生のいぴきが止んだと思ったら前野君のいびきが始まる。前野君のいびきが止んだと思ったら吉野先生のいびきが始まる。2人ともちゃんと眠っていた。一睡もできなかったのは僕だけです。」

10年間闘い結果は公務執行罪は成立せず、暴行罪で罰金8,000円になった、今の時代なら無罪になったかも知れないが、この当時は刑事裁判は冬の時代だった。罰金だったので市職労野組合員は復職した。

私達はなかなか勝てなかったが、一緒にいい仕事をしたと思っている。


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