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● 18年11月20日 とんとん日記

とんとん日記7



今回は、私の好きな場所です。それは北九州ダルクです。正確に言うと、場所ではなくて、ダルクの活動とそこに集う人々が好きです。

北九州ダルクは・・・北九州市の認可を受け、地域活動支援センターとして活動の幅を広げている日本で数少ない薬物依存専門のリハビリテーションセンターです。毎日グループセラピーを行いながら、薬物依存から回復したいと望む仲間の集まる場所です。

ダルクの話をすると「ああ、芸能人とかで覚せい剤で捕まった人が行くところでしょ。なんか怖い人たちがいるんじゃない?」「薬物依存って治らないんでしょ」と言葉のナイフが飛んでくることがあります。そこで私が100の言葉を尽くしても、そんなイメージを持っている人たちにはなかなか伝わらない。百聞は一見にしかずだから、実際に見学に来ていただいたり、接したりしてもらえればと思うけど、日々忙しい一般の人たちが、わざわざ見学に来るのは難しい。だから、私はこのとんとん日記で、私のダルク愛を伝えたいと思います。

そもそも、私は自分でも何か環境が違っていれば、薬物を使ってしまったかもしれない、もしかしたら、これからだって薬物やその他のものへの依存症になる可能性はあるかもしれないと思っています。日常生活の中ではどうしようもないほど追い詰められたり、家族の中に難しい人がいたり、その心の隙間を何かで埋めてしまいたくなります。そして、もし、自分が薬物に一回でも手を出したら、本当にやめられないだろうと思います。そう考えると、やめ続けて、一日、一日を積み重ねているダルクの人たちのことを心からすごいと思うのです。

弁護士になってもう少しで20年、いろいろな裁判や活動をしてきましたが、一番長く続いているのがダルクの活動です。どんなに忙しくても、手弁当であっても、私が自分で行きたくなる場所がダルクです。それは人のためではなく、自分のためだから。ダルクは人の弱さや過ちを包んでくれます。上から話すでも、諭すでもなく、「そうだったんだね。」とただ聞いてくれる。ダルクのスタッフさんにやりきれない思いを聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなる。私にとってもそんな場所になっています。

最初はそんなことは意識していませんでした。たしか平成20年ころだった記憶ですが、私がいつものように仕事の荷物を抱えて、慌ててダルクに駆け込むとそこには先代の施設長さんがいました。薬物依存でずっと苦しみ、回復の日々を積み重ねて、北九州ダルクの歴史の一部を作ってきたIさんです。Iさんは「東先生、そんなに頑張りすぎたら、大変でしょ。力抜かないとね」と全てお見通しの笑顔で私を包んでくれました。そうです。この日、私が抱えていたのは荷物だけではなくて、仕事で失敗をして、つぶれそうになっている心の荷物でした。なんで、Iさんわかったのかな。私はこの日にIさんから優しく包んでもらった感触をずっと覚えています。Iさんが助けてくれたのは私だけではなく、私が連れて行った高校生の女の子や、やんちゃなお兄さん、そして、今の施設長の堀井さんにもあらゆるドラッグに依存して、刑務所を出た後が心配だった男の子を裁判中、刑務所に行った後、その後の地元ダルクの紹介までお世話になりました。人の人生の立ち直りを応援することは、自分自身も生きる力をもらいます。いろいろあっても、人って何とかなるもんだ・・・・を実感できるのです。

いつもうまくいくとは限りません。ダルクの活動も山あり、谷あり。信じていた仲間が信じられなくなることだってある。でも、その失敗も回復のプロセスなんだ、だから、何度でも信じて、みんなで力を合わせる。このみんなの中には、ダルクを支援して下さる素敵な支援会のメンバーさんも入っています。この支援会の方々との出会いが私の人生を豊かなものにしてくれています。北九州ダルクのことを少しでも興味をもって下さった方はぜひ声をかけてください。そして、もし周囲に薬物などの依存症で苦しんでいる人がいたら、ダルクのことを思い出してください。ホームページも素敵です。ぜひ、北九州ダルクで検索してホームページをのぞいてみてくださいね。


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