● 17年03月01日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №180 「橋のない川」 上映拒否事件③
「橋のない川」の上映は大成功であった。「橋のない川」の上映をめぐる福岡地裁の判決、福岡高裁の判決はマスコミが大きく取り上げ、宣伝効果バツグンだったので映写当日は満員であった。
私達は部落解放同盟が映画の妨害にやってくるという可能性があったのでトラブルを避けるため防衛隊として出動した。
当日やってきたのは40~50名の学生であった。「『橋のない川』の上映フンサイ」「石川青年の奪還」を叫んでいた。その回りを200~300人の防衛隊がとり囲み、冷かしていた。
学生達が「労働者と連帯し」と演説をすると、防衛隊の誰かが「俺達と連帯しよう」と冷やかしていた。
この学生達は「橋のない川」を読んだのであろうか。この映画を見て批判しているのだろうかと思った。
解放同盟が来ないようなので、私達の任務は解除され、ゆっくり映画をどうぞということになり、弁護料代りにただで映画を見せてもらった。小説の方もいいが、映画もなかなかよかった。
後になって依頼者と雑談していたら、「実は私も見に行ってきました。いい映画ですね。でも私も(解同が)こわいのでこっそり見ました」と話してくれた。