● 20年04月22日 とんとん日記
とんとん日記38
日々、感染拡大防止と事務所のあり方をどうしていくかで、悩みがつきません。外出を自粛して、家にいることが増えれば、普段は仲良しの家族であっても衝突は増え、ストレスも増える。ましてや、あまり顔を合わせたくない家族の場合、そのストレスはどれほどのものでしょうか。
DV事件のときに相談者の方が必ず口にするのは「些細なことでキレる。自分と感覚が合わないと罵倒し続けられる。」という怖さです。夫から、朝起こしてくれと言われたから一生懸命起こすと夫の機嫌が悪くなり、怒鳴られる。次の日は声かけしたけど、なかなか起きてくれないから怒られるのが怖くて、そのままにしておくと「何で、起こさんかったんか!起こし方が悪い!」と叩かれる。どっちにしても怒鳴られ、叩かれる。・・・ていうか、自分で起きたらいいのに・・・。でも、それを言えば「俺は仕事で疲れてる!えらそうにいうな!」がわかっているから何も言えない・・・のです。テレビを観ていても「こんなくだらない番組みてる奴は頭がおかしい」と全否定される・・。何を観てもいいし、何が面白いかは人それぞれなのに。
今、この期間にも家の中で弱い立場の人たちが、どれほど息を殺して過ごしているだろうかと思うと、苦しくなります。
感染拡大を防ぐ、医療崩壊を防ぐなど外出制限の趣旨を踏まえて、事務所の相談体制は縮小せざるを得ない状況になりました。一方で、この苦しい中でSOSを発している人たちのサポートをする役割を法律事務所は担っています。今すぎに何かできることは少なくても、そのSOSを受け止めて、次に何をすればいいか、今はどうすればいいかを一緒に考えていくことができる、そういう弁護士でありたいといつも思っています。事務所の相談のあり方をどうすべきかを考えるときに、感染拡大防止の観点と法的サービスをきちんと維持するという観点でどうしていくことがよいのか毎日模索しています。
日々、大変な状況の中でがんばってくださっている皆様、医療、看護、介護、保育、商品の流通、販売、店舗で働く方々、交通や運送、おいしいデリバリーのお弁当を作ってくださる方々、学校の再開、休校時のあり方について日々悩んでくださっている先生方・・・ここに書き切れないほどのすべての方々のおかげで世の中は成り立っている。今こそ、その思いを強くしています。
私も、弁護士として、家族の一員として、社会の中で生きていく一人の人間として、自分が役割を果たすためには自分の健康でいなければならないことを自覚しつつ、弱くなっている人々に寄り添える存在となれるよう自分自身ができること、やるべきことを続けていきたいと思います。