● 14年08月11日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №91 大石豊後高田市議 公職選挙法違反事件②
検察官に異議
大石さんは2003年4月12日、日本共産党後援会ニュース等3種類のビラを200軒近くの人に配った。これは戸別訪問ではなくビラ配りだった。
そのために大石さんが訪問先で掛けた言葉は「新しいビラが出来たので読んで下さい」等というもので、1、2分間の会話だった。そこで検察官は被訪問者に大石さんは戸別訪問罪の構成要件である投票依頼に来たと証言させようとした。私達はこれに異議で対応した。
検察官(渡口)「証人は、初めて被告人の訪問を受けて握手をしたと、で、そういうようなビラを貰ったということですが、このビラを受け取った当時、何のために」。
主任弁護人(河野善一朗)「異議あり。意見を聞いている」。
検察官(渡口)「いや、本人が経験した事実の意見を聞いているわけですか」。
弁護人(安部)「異議です」。
検察官(渡口)「私は、本人の当時の気持ちを聞いているわけですから」
主任弁護人「意見を聞いている」
裁判長「異議については棄却します」
(これで諦めたり私達はしない)
検察官(渡口)「訪問を受けて、握手をしたり、あるいはそういうビラを受け取ったときに」
主任弁護人「異議あり。全部を前提に使ってないじゃないですか。新しいビラが出来たので読んで下さいと言ったとかいうことを、全然いってないじゃないですか」
~中略~
検察官(渡口)「では、そういうような状況の訪問を受けた当時、証人は、被告がなぜ証人宅を訪問されたと思いましたか」
証人「特に何も思いませんでした」
私たちの異議は見事に成功した。証人は私たちと検察官の異議についてのやり取りを聞いて、その問題点を理解し私たちに味方してくれた。
検察官は投票依頼のために訪問したということを証人にしゃべらせたかったのに、証人は「特に何も思いません」と答えたのである。