● 14年08月22日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №92 大石豊後高田市議公職選挙法違反事件③



「誘導尋問です」

裁判長は私達の異議を棄却した。私も異議は棄却されることを予想しながらも異議を言っている。法廷は戦場である。勝つためには検察官の意図を粉砕しなければならない。検察官の質問を続けさせれば答えは予想される。その流れを断ち切らねばならない。そのために異議を言うのである。異議が認められるかどうかとは関係なく大声で異議を言うのである。

検察官(渡口)「では、大石さんは、何のためにBさんのお宅に訪問されたと当時思いましたか」

弁護人(安部)「異議です。誘導尋問です」

検察官(渡口)「はあ、どこが誘導ですか」

弁護人(安部)「今から理由を言います。質問の仕方として、検察官は、選挙権がありますか、選挙がいつありましたかと、ずっと順番に聞いていくでしよう。それで、ビラを見せて、そういう風にすると選挙のことで来たということが、それを聞こうとしていることは、証人はわかってしまうわけです。だから、質問の仕方として、ビラを持ってきたときに、大石さんは何のために来たと思いますかというように最初に聞かないとダメです。

ずっと順番的に聞いて最後の質問で聞くと、答えを期待しているのが明らかで誘導になると思いますので、最初に聞いて頂きたいんですが」

検察官(渡口)「誘導尋問じゃないと思います」

裁判長「異議は棄却します」

検察官(渡口)「証人は大石さんが、証人宅をビラを持ってきて訪問された目的は、ビラを受け取った当時何だと思いましたか」
証人「別に何ちゅうことない、日頃大石さんのところの、『みんなの高田』というのが時々郵便受けに入っていることがありましたので、それを持ってきたんかなと私は思って頂きました」

異議は棄却されても、こっちが異議の理由の中で、検察管の質問の意図を明らかにすると証人は選挙が目的ではなくビラを配っただけだと証言してくれてた。証人は私たちの味方をしてくれた。異議は見事に成功した。


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