● 17年07月01日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №190 同和保育所事件⑨ おわりに Ⅱ



田中かよ子さんは今問題の木村政男解同書記長のいとこである。田中さんが頭を下げればいつでも紫町市民館保育所にもどれる。木村書記長はかよ子さんが解同の確認印をもらいに行くのを待っている。それを自分の意志でいかない。それが真の部落解放への道だとは思うが、目の前の保育所に行きたがる樹ちゃんと毎日生活している母親には耐えがたいことであったろう。

私達も耐えがたかった。樹ちゃんを保育所に行かせることができない私達の無力を、そしてこのような非情な仕打ちをする北九州市=谷伍平に対する怒りを燃やし続けたのである。この怒りが私達弁護士の力である。何としても勝たねば。敗北は許されない。どんなことをしても勝たねばならない。

この事件は福岡高等裁判所でも同じ理田により勝訴したが、北九州市は最高裁に上告した。北九州市は田中さんの訴訟で5回敗訴している。それでも樹ちゃんは紫町市民館保育所へもどれず、もう小学校に通うようになった。

樹ちゃんは小学校に行く前にはお母さんに「ボク、ちゃんと学校へ行けるんか」と尋ねたそうである。小学校は誰でも行けるはずだが、紫町市民館保育所へ行くことができなかった樹ちゃんは本当に心配したのであろう。

私はこの事件は負けたら金を払えば済むという問題ではないと考える。北九州市のお金は私達の税金である。これまで負け続けた裁判に北九州市がどれだけの税金を使ったのか北九州市は市民に明らかにしないので不明だが、全くの浪費としか云いようがない。こんな小さな子供を差別して部落解放ができるはずがない。


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