● 18年01月01日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №207 八幡市民会館使用拒否事件 判決



判決では、北九州市の八幡市民会館使用拒否が違法であることを以下のとおり明確に判示している。

「被告は、原告が演説会を開催することによって被告の取り組んでいる同和問題の早期解決に障害を惹起させ、被告の諸施策の遂行に重大な支障が生じることが予期される旨、或いは同和地区住民が横暴と利権あさりをする無法と恫喝の集団であるかの如き誤った予断と偏見を植えつけ部落差別をさらに助長する結果にもなる旨述べ、本件使用承認取消の適法性を主張しているが、前記のとおり被告の行政的立場を批判することを目的とする集会に公の施設を使用させることがその管理に支障を及ぼす場合に該当するものとは到底いうことができず、これが同和問題に関することであっても道理を異にするものではないばかりでなく、部落差別の助長といった基本的人権を侵害するおそれがあるという点についてもその明白かつ現在の危険性について何ら具体的な立証がなく、かえって前認定の本件使用承認取消に至った経緯や本件演説会は日本共産党が国会議員を迎えてその政策を市民に知らせる時局演説会であって、被告の同和行政を批判することを直接の目的としたものではなかったことなどによれば、右基本的人権侵害のおそれがあったものとはいい難く、結局本件使用承認取消は右各法令の解釈を誤った違法なものといわざるをえない」。

この判決については、マスコミも同和問題についての北九州市の度重なる敗訴として大きく取り上げ、新聞やテレビで大きく報道した。


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