● 18年10月01日 とんとん日記

とんとん日記(2)



最近の出来事といえば、7月5日に放送されたアンビリバボーです。なんと北九州爪ケア事件のことが全国放送で特集されてしまいました。私は何かと事件に出会ってしまうタイプの弁護士で、これまでも、担当した事件がローカルニュースに出たり、短いインタビューも受けたりしました。今回のようなゴールデンタイムは初めてのことでした。

夏の事務所だよりに取材のきっかけは書いていますのでご覧頂くことにして、私には「どうしても伝えたいこと」があります。放送後、たくさんの方々から「事件大変だったね」「よくがんばったね」というありがたいお言葉をいただきました。もちろん、看護師の上田さんが一番がんばったことはテレビでも伝わっており、取材を受けてよかったと思います。

ただ、私は弁護団の一人であるにもかかわらず、結果的に「私が目立ってしまったこと」が心苦しく、この日記で当時のことをお伝えすることにしました。当番弁護士で出動した後、弁護人はほぼ毎日、八幡東警察署に通います。一人では無理でした。そこで、北九州第一法律事務所の天久泰弁護士と、西日本法律事務所(当時)の中藤寛弁護士に声をかけました。起訴された後は2人しか弁護人になれなかったので、天久弁護士にお願いしました(このように時間を取られる事件に関しては天久弁護士が所属する北九州第一事務所のようにたくさんの弁護士がいる事務所の方がバックアップ体制をとっていただけるのではという思いからです)。上田さんは、今も中藤弁護士の優しい笑顔に癒されたと話をしています。

そして、上田さんが検察官と対峙して、辛い取調べに立ち向かう原動力となったのは、毎日早朝の天久弁護士の拘置所接見でした。「天久先生の顔を思い浮かべてがんばりました」と上田さん。弁護団もまさに「チーム上田」でした。

控訴審では、主任弁護人として上田國廣弁護士、高平奇恵弁護士、品川菜津美弁護士が加わりました。この控訴審の弁護団の体制がどれほど「スゴい」ものだったかは、次号で詳しくお伝えします。

ただ「スゴい」だけではなく、福岡での弁護団会議では「おやつとコーヒーの休憩タイム」がありました。食いしん坊の私にとっては、毎回これが楽しみで「今日はこのおやつにしよう」と持ち込みすることもありました。会議を終えて、福岡から北九州までの帰りの電車の中。上田さんと私は「一番好きなお菓子は○○」とひたすらお菓子の話だけをしながら帰ったこともありました。「おいしいお菓子」も、私たちの戦いを支えてくれた大切な仲間?といったところでしょうか。


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