● 15年03月23日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №112 第一章 血液型



ひょうきん弁護士267僕たちに赤ちゃんが生まれました。目元はぱっちりして、口は小さく、どうしてこんなかわいい女の子が僕たちに生まれたのか不思議でした。

僕はどう見ても三枚目だし、こんちゃんは中の下、美人が生まれるはずがないのです。

毎日「おかしいね、どうしてこんなかわいい子が生まれたのかしら」と二人で赤ちゃんを見つめていました。

名前はその頃のアイドル歌手、天知真理の名前をとって「真理子」と名付けました。髪結いの亭主になれなかった僕はこの子を芸能界に出して、いずれは楽をしようと、また甘い夢を見ていたのです。

ある時、この子が怪我をしました。そして血液型を調べると何とB型だったのです。僕はA型、こんちゃんはO型、理論的にはB型は生まれないのです。

僕たちは悩みました。「そう、確かにこの子は僕たちの子にしてはかわいすぎる。きっと生まれた病院で取り違えたに違いない。本当の親のところに返すのが筋だ」

「でも、せっかくこんなにかわいいのに。私達の子が変な子だったらどうするの」

「変な子でもやっぱり、僕たちの子だ。それにこの子は真実の親に返してやらないとこの子のためにもならないし、親がかわいそうだ」

何日か悩んだ後、やっと真理子が生まれた病院にいきました。

「あの、この子は僕たちの子ではないようです。僕はA型、妻はO型、B型が生まれるわけがありません」

「どこで間違えたというんですか」

「いえ、やっぱり、この病院で生まれたのですから、どこかで他の子と取り違えたとか」

「冗談じゃありませんよ、そんな大事なことを、子供を取り違えるなんてことがあるわけないじゃありませんか」

「それはそうですが、やっぱり人間のすることですから」

「ところであなたはA型とどうして解りますか」

「いや、高校の理科の実験の時に調べたのですから間違いありません」

「間違いないという人ほど間違えるんです。すぐ調べましょう」

そんなバカなと思って調べたところ、僕の血液型はB型でした。こんちゃんは言いました。

「ウソツキ。私はあなたがA型というから結婚したのに。あなたがあのおぞましいB型なんて」

まぁ、よく考えてみると僕はどこから見てもB型人間だ。


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