● 13年05月20日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №47 解雇撤回と闘う4



直ちに仮処分の申請をした。

すると相手方には弁護士も付かず、理由書と題した答弁書を出し、その中で具体的な日時も特定せず解雇の理由を書いていた。

1回目の審尋で裁判官は相手方に「解雇の理由が特定されていませんので、このままでは仮処分の決定を出す予定にしていますがどうされます」と尋ねた。
相手はあわてて「弁護士に相談していますのでちょっと待ってください」と答えた。

二週間以内に相手方に弁護士がつき、正式な答弁書を出してきた。しかしここでも解雇の理由の特定がなされていなかった。そこで私は2回目の審尋で「解雇をするなら、佐藤さんのいつ、いかなる行為が就業規則の何条に該当するのか具体的に特定しなければ反論のしようがない。解雇の理由の主張、立証責任は会社側にあるのだからこんな答弁書では直ちに仮処分認容の決定を出すべきである」と激しく追及した。

裁判官は「安部弁護士のいうとおりです。3週間以内に解雇理由を特定してください」と言い放った。

すると二週間後に相手の弁護士から「佐藤さんの解雇の意思表示を取り消し、平成15年4月27日(月)から会社に出勤されるように通知します」というファックスが私に来た。

佐藤さんと相談する。

「先生の言っていたとおりになりました」。

「どうします、戻ります?」。

「今さら戻れません。何とか会社をやっつける方法はないのでしょうか」。
「解雇をしたことが不法行為であるとして慰謝料請求をするしかないでしょう。請求金額は慰謝料300万円と弁護料30万円にしましょう」。

直ちに提訴をした。裁判所が仲裁に入り半分の和解案165万円で和解した。


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