● 13年10月21日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №62 旧満州の旅 ②
私は、ある日突然、日本人の子を両親が引き取るのだから、近所や兄弟、親戚は当然、日本人と知っており、村の役人も知っていた。従って残留孤児を探すのはそんなに難しいことではなかったはずだと思っていたが、引っ越しをしたというのは初耳だった。やはり、敵国の子を引き取るというのは養親にとって大変なことだったのだ。
731部隊
森村誠一の“悪魔の飽食”を読んで、その跡地にはあまり行きたくはなかった。日本が731部隊を撤収する時にマルタを皆殺しにした。私は小心者でいつも救いがないと生きて行けない。最後に一人でも二人でも生存者がいたのなら救われるが、それがないと悲惨である。
しかし、行ってよかった。やはり本で読むのと現場に行って見るのでは大違いである。
731部隊はあれだけの広大な敷地を占領して人休実験をした。単に一部の軍人がしたのではなく、日本国が行った悪行であることが良くわかった。
石井中将は731部隊を解散する時に「ここでした事、見たことは決して口外してはならぬ。墓の中まで持って行け」と言ったそうだが、時間の経過の中で多くの731部隊の隊員が自己批判をして「したこと、見たこと」を中国側に話している。日本人の協力がなければこれだけ詳しく731部隊の行動が明らかになることはなかった。
アウシュヴィッツの収容所とは殺された人数は比較にならないが、ここで行われた残虐性は世界遺産にするのにふさわしいと思う。
今、731部隊の記念館を世界遺産にするための運動をしていると館長から説明を受けた。改めて戦争放棄を誓う。
最後に一人で山に登るのも楽しい。家族旅行も楽しい。事務所旅行も楽しい。しかし裁判に勝利して、裁判を共に戦った仲間との旅行は最高である。