● 12年03月10日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №05 クローズアップ現代



NHKのディレクターが云った。
「これで録音は出来ましたが、この問題の解説を部会長の先生がしてください、それでは、今からカメラを回しますね。私が質問します」。
「今回、九州弁護士連合会の大会では年金担保の問題を取り上げるのですが、どうしてこのような問題が生じるのでしょうか」
「それは政治が悪いからです。国民年金法二十四条、厚生年金保険法四十一条で年金を担保にとることは禁止されています。それにもかかわらず、金融業者が年金を担保にとるのは、行政が厳しく取り締まらないからです。行政が動かないと、この問題は解決しません」。
中野昌治弁護士が言った。
「安部先生、NHKに政治が悪いという解説をしても、ボツにされますよ」
「やかましい、部会長は俺だ。あなたは黙っててもらいたい」
その後、ズームアップ九州が放送された。すると偉そうに中野弁護士が登場して、解説していた。
私は怒った。
「部会長をさしおいて、中野がテレビに出るのか。中野は消えろ」
ズームアップ九州では、私の出演は全くなく、私が録音したテープが回り、私と金融業者の声が聞こえるだけだった。これでは誰が金融業者と闘っているのか分からないのではないか。
ズームアップ九州は評判がよく、全国放送の「クローズアップ現代」でも、この年金担保の問題が取り上げられることになった。私が録音したテープが流され、録音したのが私だと紹介された。全国放送なので全国から「見たよ」と電話があった。何より依頼者が喜んでくれた。
国谷裕子さんの対談相手は中野氏が消え、橋田壽賀子さんに変わっていた。
「安部千春弁護士がNHKに抗議して中野弁護士を降板させた」という噂があったが、その真偽のほどは今もわからない

小倉タイムス より転載


<< >>