● 16年10月21日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №167 第三章 ひょうきん弁護士 告訴さる (2)
2週間後に保育園の前で「保母さんを職場に返せ」と要求していた私達が決起集会を開いていると、屈強な男達が次々と園の中に入って行く。50歳前後の和服の男が、木刀を持って肩を怒らせて園に入って行く。
「あれは誰だ」
と保母さんに尋ねると、その男が園長だという。
これでは差し押さえはどうなるのかと、不安な思いで集会に参加していると、園の中から10人くらいの男が飛び出してきた。
「暴力をふるった弁護士はどいつだ」
保母さんたちが必死でスクラムを組んで私を守ろうとするが、何しろ相手は部落解放同盟の男たち。たちまちスクラムは破られ、私は男だちから「この野郎」とネクタイは引っ張られ、足は蹴られる小突かれる。
しかし、私はこの程度の暴力では少しもひるまない。日頃こんちゃんから殴られているから暴力には慣れている。さすがに解放同盟の男たちも木刀で殴ったり、頭を叩いたりすることはない。保母さんが心配して110番に電話した。しばらくしてパトカーが到着し警察官が2人やってきた。
「どうしたのですか」
「どうしたもこうしたもない。見てのとおり解同にやられた」
「事情は警察署で聞きますので、パトカーに乗って下さい」
「パトカーに乗れって、暴力を振るったのは向こう側じゃないか。向こうを逮捕してくれ」
「いや、あなたが暴力を振ったとのことなので任意同行して下さい」
「バカを言うな。私は弁護士だ。強制執行に来ただけだ。暴力を振るうわけがないではないか」
「いいえ、保育園の方から、あなたが暴力を振るったと訴えがありましたので一緒に来て下さい」
「とぼけた事を言うな。あんたも見とったやないか。私が引っ張り回されるのを見とったやないか」
「いえ、あなたが暴力を振ったという訴えがあっていますから警察へ来て下さい」
「何を、この野郎。俺を逮捕したいのやったら逮捕状を持って来い」
警察は部落開放同盟とぐるだ。