● 12年05月20日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №11 日栄との闘い③
山口県周南市から相談に来られた。
「遠いところからご苦労様です。周南市にも弁護士がいると思うのですが、どうして相談されなかったのですか」。
「もちろん相談しました。私の相手は日栄で、約束手形を日栄に振り出していますので、不渡りを出さないように日栄と交渉して欲しいというと誰も引き受けてくれないのです」
「日栄とは何年ぐらい取引をしていますか」
「6年にはなると思います」
「それではもう金利の払いすぎになっているでしょうから、引き受けましょう」
「ありがとうございます。やっとこれで安心できます」
早速、日栄に日本信用保証株式会社の保証料も含めてこれまでの取引明細を送るように手紙を出す。送って来た資料によって計算すると594万円の払いすぎになっている。すぐに日栄に電話をする。
「549万円の過払いだから手形を返してください」。
「ここにはありません。本社に送っています」。
「じゃあ、本社から取り返してください」。
「本社と相談します」。
それからは何回電話をしても担当者は電話に出ない。ある時は電話中、ある時は外出中。「支店長を出せ」と言うも「いない」という。毎日電話をした。私はしつこいのだ。やられた分はやり返す。
だいぶ攻撃して気も晴れたので、裁判所に手形が不渡りにならないように、執行官に保管を命じる仮処分の申請をした。仮処分には担保として供託金を積まなければならない。依頼人にはお金がない。12月2日が満期の300万円分だけ仮処分をかけ、通常は3分の1の供託金を10分の1にしてもらった。日栄の本社の執行は日栄・商工ファンド弁護団事務局長、牧野聡弁護士がしてくれ、手形の不渡りは免れた。
小倉タイムス より転載