● 12年07月10日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №16 北村弁護士と闘う
裁判が始まった。
私は現場検証の申し出をして認められた。私は裁判官に本人が歩いたであろう歩道を歩いてもらって指示説明をした。
「本人は車から降りて自宅に歩いて帰ろうとして本件事故現場近くまで来た。ところが車道は地下トンネルに入り、車道の横にあった歩道は地上に中学校のグランドがあるために大きく迂回していた。
大きく迂回した歩道を三分ほど歩けば車道はトンネルを抜け、車道の横に歩道は戻ってくる。しかし本人はここを歩いたことがなかった。そこで本人はトンネルの中を歩いたと思われる。トンネルの側溝は幅30センチ、高さ50センチのコンクリートで固めてあり、人が歩けるようになっていた。ここを歩き、酔っていたためにトンネルを抜けたあたりで車道に落ちたと思われる」
次には本人の高校時代の同級生に証言してもらった。本人は野球部のピッチャー、証人は捕手だった。本人は高校時代から女性にもて何人もの女性と交際してきた。不倫の女性と別れたぐらいでは自殺しないと証人は断言した。
私の後に北村法律事務所の女性弁護士が反対尋問をした。尋問は無意味でヘタだった。この時、私には司法修習生が見習いのためについていた。 彼は私に「質問の意味がわかりません」というメモを渡した。私は「無能」と返事を書いて返した。
裁判所の前にはいなり食堂があった。私はここで昼食をとる。ここには裁判官や裁判所職員が昼食に集まり、さながら裁判所の社員食堂であった。ここで、この裁判を担当していた裁判官も昼食をとる。裁判官がわたしに声をかけてきた。
「この前の裁判で司法修習生が渡したメモにはなんと書いてあったのですか。先生はなんと答えたのですか」
私が修習生のメモに「質問の意味がわかりません」と書いてあったので「無能」と答えましたと言うと喜んでいた。
裁判には地の利がある。田舎ではこのように昼食を食べながら、裁判の話をすることができた。
小倉タイムス より転載