● 12年07月20日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士２ №17 行列のできる法律相談所 北村弁護士に勝つ①
北村弁護士はこの当時、テレビに時々出てくる上野正彦元東京都監察医務院長の意見書を裁判所に提出した。ここには本件交通事故は自殺である可能性が高いと書かれていた。
私はこのような有名人のできの悪い鑑定書や意見書をこてんぱんにやっつけるのを得意にしている。
上野氏は死亡者が車に対してほぼ正面を向いていた可能性が大きいので事故に遭うのを覚悟しており自殺の可能性が高いと主張している。私の反論は以下のとおりである。
１ この事故の目撃者は次のように述べている。「道路にいた人は私の前を第一車線上から第二車線上に向けて傘もささずにふらつきながら歩いていました。道路を横断しているのではなく、酔っぱらって歩いているような感じでした」
この証言を上野氏は無視している。
２ 死亡した人は右膝の挫裂創の方が左膝より深かった。正面を向いていたのなら左右の膝に同等の傷ができるはずである。
３ 又、故人が正面を向いて車と衝突すれば前頭部に傷がつくはずである。前頭部に傷がないことからも正面を向いていなかったと思われる。
また仮に死亡者が正面を向いていたとしても車に気がついて驚愕して車の方を向いた可能性もあるので自殺と断定できない。
上野氏は自分に都合のいい所だけを取り上げて都合の悪い所は無視する。到底裁判所が参考にできるようなものではない。このような意見書は百害あって一利なしと反論した。当然、上野氏から反論があるものと思って楽しみにしていたが、なかった。
これは北村弁護士の決定的な誤りである。反論をしなければこっちの言い分を認めた事になる。反論ができなかったのかもしれないが、それでも反論をすべきだった。こちらは現場検証と証人により、本件には自殺の動機はなく交通事故であることを立証したが、北村弁護士は自殺であることを立証できなかった。 私は勝利を確信していた。平成16年４月22日判決が下され私が全面勝訴した。
小倉タイムス より転載
