● 13年02月20日 ひょうきん弁護士

ひょうきん弁護士2 №38 判決の日 1



 芦屋派出所スパイ強要事件

判決の朝、諌山博弁護士が私達に言った。

「諸君は勝つと思っているだろうが、相手は警備警察だ。判決はわからない。負けたら私が不当判決と立ち上がって抗議をするので安部君、続きたまえ」

「すみませんが、私は出廷しません」

「安部君、君は何を言っているのか」

「申しわけありませんが、先生と同じように私も判決は聞いてみないとわからないと思っています。だから言い渡しには立ち会わないことにしているのです。私はこの裁判にこれまで一度も欠席をしたことはありません。先生は公務のためとはいえ、参議院議員の間の六年間出廷はされていません。私はもうやるべきことは全てやってきました。判決はもう決まっています。私が出廷しようがしまいが同じです。先生とみんなが立ち会うので私一人がいなくても関係ないです」
諌山弁護士はあきれはてた顔をして、こんな屁理屈をいうバカと議論しても無駄と思ったのか、ここで終わった。

裁判では私達は被告福岡県警察に勝った。

満面の笑みをたたえて法廷から出てくる諌山先生を、私は法廷には入れなかった一般の支援者と共に拍手で迎えた。

 永万寺裁判

2006年11月9日午後1時10分、福岡地方裁判所小倉支部において、永万寺が解任した16名の僧侶の地位確認を求める差戻し審の判決の言い渡しが行われた。

当日午後1時00分、原告弁護団の中村博則弁護士が弁護士会館で私に言った。

「先生はここにおられるんでしようね。報告集会には出てください」

「いや、これから私は行方不明だ」

「判決に出ないのは知っていますが、報告集会だけは出て下さい」

「勝ったら出るけど負けたらよろしくお願いします」


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