● 13年03月10日 ひょうきん弁護士
ひょうきん弁護士2 №40 永万寺 裁判 1
押しかけ弁護
私は16名の僧侶(法中)が解雇された永万寺の紛争を小倉タイムスで知り、法中が負訴したことを知った。私は直ちに判決文を取り寄せ読んだ。そして控訴審の裁判に加わることに決めた。私は控訴審でこの判決をひっくり返すことができるかも知れないと思ったからである。
原告の法中から頼まれたわけではない。弁護団から頼まれたわけではない。けれども私は弁護することにした。私は自分に自信がなかった、私は私の弁護士としての腕を確かめたかったのである。
弁護料
私は法中から頼まれたわけではないので、弁護料の約束をしたわけではない。福岡の高等裁判所に行く費用は私が自分で出すつもりだった。けれども法中の皆さんが一回につき2万円の旅費日当を支払ってくれた。
弁護団の拡充
一審判決で負訴したことの意味は重い。原判決を破棄させるには弁護団員を増し、知恵と力を結集しなければならない。また裁判所に対しても、この間違った判決を正すための弁護団の決意を示さなければならない。
助っ人として理論派の前野宗俊弁護士に頼んだ。けれども、私も前野弁護士も弁護士歴30年、口は衰えていないが体がついてこない。仕事人として若手の上地和久弁護士が加わった。
本件の争点は何か
法中16名の言い分は小笠原藩が長州から攻められたとき、小笠原は小倉城に火を放って逃げた。このときに永万寺も戦火で焼けた。永万寺を再建するときに法中の先祖が建築資金を出し、その代わりに代々永万寺は法中達が永万寺の僧侶として、それぞれの担当地域で御布施も受け取る権利を認めたというものであった。
一審判決では永万寺が燃えたという証拠がないということで敗訴していた。 控訴審で百年以上も前に永万寺が燃えたという証拠を見つけるのは不可能に近い。
裁判に勝つためには裁判官の心を捉えなければならない。裁判官は正義を実現させたいと考えている。そこで裁判に勝つためには永万寺がいかに悪いか、そして法中はその被害者であることを強調しなければならない。