ひょうきん弁護士2 №171 第四章 労働仮処分必勝法 その1 最後の一発は私が撃つ

ひさしぶりに整理解雇で勝訴した。弁護士になって解雇事件は連戦連勝である。

事件は、新日鉄にベルトコンベアを売る小企業が、将来、八幡の高炉が二基から一基になることを理由に労働者を整理解雇したものである。

最近は最高裁が裁判官を集めて協議会をやっているから、こんな簡単な事件でも勝つのはけっこう難しい。労働仮処分の私のやり方は次のとおりである。

まず、それなりの仮処分申請書はできる限り急いで提出する。相手方が詳細な答弁書を出し、解雇理由について説明する。これに対して、相手方より長い準備書面(主張をまとめた書面)でこの答弁書を反撃する。そう、まず準備書面の量で敵を圧倒するのだ。一般的には、準備書面は短ければ短い方が良い。長ければ裁判官が読む気を失うかもしれない。証拠もできる限り絞り、書証(証拠書類)もどうしても必要なものだけに絞って提出した方が良い。赤線を引いたりして、読みたくない裁判官に読んでもらう工夫をする。

しかし、労働仮処分では相手方が詳細な準備書面を書いてくるので、これを反撃するためにはどうしても長くならざるを得ない。

そして、当然のことながら、準備書面は量だけではなく質でも敵を圧倒する。どこが敵の弱点なのかを見極め、そこを徹底的に攻撃する。品位を持って口汚く罵る。挑発に乗った相手方は、必ず私の準備書面に対する反論を書いてくる。私はできる限り早く、この反論書に対する攻撃の準備書面を書く。

こうやって乱戦、混戦、終わりのない準備書面の提出合戦が続く。そのうちに相手方は疲れてくる。私は疲れない。最初から最後に提出する準備書面は私が書く気持ちでやっているから、相手方が準備書面を書けば必ずこの反論を書く。相手方は仕事としてやっているので当初は詳細な準備書面を書いてそれなりに迫力があるが、私は必ず勝つために準備書面を書いているから、いずれは私の方が圧倒する。相手方が弾を打ち尽くして沈黙した時、私は必ず最後の一発、勝利の書面を書く。裁判所が何をしているかというと、普通、労働者側と使用者側の審尋をする。その後は準備書面合戦になって論争が始まり激しい闘いが続くので、完全なアンパイヤになってしまう。準備書面で圧倒しているので、私を勝たせることが嫌いな裁判官でも勝たせてくれる。

これが私の労働仮処分必勝法である。裁判官をアンパイヤにするためには、できるだけ口汚く敵を攻撃することである。喧嘩はハデな方が第三者には面白い。

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