ひょうきん弁護士3 №04 安部弁護士の「私の中学時代」(いじめ 2)

それから30年たって津屋崎中学校卓球部の仲間から、新海君が博士号をとり、彼の業績が西日本新聞2ページにわたって掲載されたのでお祝をしようと誘いが来た。その新海君は九州大学教授になっていた。

私がうれしそうに「田中美智子さんに会ってくる」と言うと4歳年下の妻は「45歳のババアに会ってどうするんね。」と送り出した。

45歳になった田中さんは同じように年をとった私から見ると、今でも若く、昔のようにきれいだった。

そして、あの新海君は今では私と競うように前髪が薄くなって温和な人格者になっていた。話してみると、今ではすっかり人に対する思いやりあふれる優しい男に成長していた。

私はただなつかしかった。正義と理屈を愛した少年が弁護士になったのを聞いて、みんなは「弁護士はお前の天職だ」と喜んでくれた。

中学校を卒業してから40年後、突然私に読売新聞の記者から電話がかかってきた。

「先生は新海征治教授の親友ですか」

「まあ中学校の同級生ですが」

「実は新海教授がノーベル賞の候補者になっています。ノーベル賞がとれた時の何かコメントをいだけませんか」

また昔の中学校の卓球部の皆んなが集まって前祝いをした。女子はノーベル賞がとれたらスエーデンに行くと盛り上がった。その後何回も新海君はノーベル賞の化学の候補者に

なったが未だにノーベル賞は取れていない。私のコメントもいまだに日の目を見ていない。

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