労働法コラム 第17回 パワハラに潜む過重労働

弁護士 東 敦子

相談者のAさんは、上司のパワハラについて相談に来られました。「仕事のことで叱責されるのは我慢できる。でも、メールの言葉遣いがおかしい、親から何を教えてもらったんか、こんなんで卒業できたの不思議やなって毎日罵倒されてばかりで、何が言いたくて怒っているのかよくわからないんです。」憔悴しきった様子でした。

最初はパワハラの相談だと思い、どんなやりとりがあったのかを聴き取り、後日、残っている送受信メールの内容を送ってもらいました。このメールのやりとりを見てびっくり。Aさんは真夜中や明け方など、とんでもない時間帯に「今から帰宅します。」というメールを上司に送っていたのです。これも上司に義務付けられていたとのことでした。

驚いた私は、Aさんに「こんな時間まで働いていたのですか?」と尋ねると「はい。当日中に受けた連絡は当日中にすべて処理しないといけないのですが、どうしても外勤務のときもあるので、会社に戻ってからの仕事も大変でして・・。」タイムカードは?・・そんなものはありませんとのこと。Aさんの憔悴はパワハラに加えて、この長時間労働にもありました。算定してみたところ、短くとも月100時間を超えていました。タイムカードはなくても、このAさんの労働時間をメールやその他の資料で何とか裏付けできないか、奮闘中です。パワハラ相談に潜む過重労働、気を付けようと思います。

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