労災認定対象疾病について

弁護士 平山 博久
2025年11月執筆

1 今回は、労災申請の対象疾病についてお話をしようと思います。
ある仕事に従事する中である疾病を発症した場合、この疾病が業務による疾病といえるかが、労災認定の対象疾病の問題です。代表的な疾病として、脳・心臓疾患、精神障害、石綿による疾病等が良くニュース等で挙がりますが、それ以外の一般的な疾病、例えば、腰痛や、首・肩・腕・手首等の疾病も業務上の疾病と認定される場合があります。
そして、これらの代表的な疾病等については、それぞれ労災認定基準が存在し、業務上の災害と認められるかは、その認定基準に沿って検討・判断がなされています。

2 例えば、タール様物質にばく露したことによる対象疾病等は、認定基準上、肺がん、皮膚がん、皮膚がん以外の皮膚障害等とされています。ですから、これらの疾病を発症した場合は、労災認定基準に記載されている有害業務に従事した期間や、その症状の内容等が労災認定基準を満たすか、という検討により、業務上・外の判断がなされる運用がされています

3 それでは、労災認定基準の対象疾病にはない病気を発症した場合はどうでしょうか。当然に労災と認められないのでしょうか。
この点、労災認定基準の意義に立ち返って考えてみますと、同基準は、下部行政機関に対する運用のための通達であって,行政の事務促進と全国斉一な明確かつ妥当な認定の確保を図り,労災補償保険給付申請者の立証責任を軽減するための簡易な基準と考えられます。
ですから、認定基準がない疾病を発症したとしても、そのことが直ちに業務上の災害ではない、という結論を導くわけではありません。
あくまで業務による災害(業務と疾病との相当因果関係が認められれば、労災認定がされるべきです)。
最近、弁護団でかかわった事件で、労災認定基準の対象疾病としては明示されていなかったものの、労災認定を勝ち取る経験をしました。

4 上記の通り、労災認定基準がなくとも、個別の疾病の内容、従事していた業務とその業務に内在する危険性、疾病の発症に至る機序、医学的知見その他具体的な個別事情を考慮して、業務に起因することの明らかな疾病といえるかが命題のはずです。
ですから、労災認定基準に書かれていない疾病であっても、上記命題を満たすのであれば、業務上の災害と認められるはずです。
先の事件は、そのことを改めて確認することができた経験となりました。
労災認定基準にない疾病でも業務上の災害と認定される場合がありますので、お気軽にご相談下さい。

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