ひょうきん弁護士2 №65 裁判の道を切りひらく

川上氏は、1984(昭和59)年12月10日、3名の警察官を氏名不詳のまま、「特別公務員職権濫用罪、強要未遂罪」で福岡地方検察庁小倉支部に告訴した。

同年12月26日に芦屋派出所の検証を求める証拠保全申立てをし、翌1985年4月8日、証拠保全認容決定が出た。そこで、11日に芦屋派出所の検証(証拠保全)に赴いたが、警察はこれを拒否したため、19日に、あらためて芦屋派出所の検証(提示命令付の証拠保全)を実施した。

付審判請求手続きにおいて、結局三人の警官は不起訴になったが、彼らは折尾警察署の警備課長高尾健二および警備課員であることが明らかにされた。

諌山博を団長に18名の弁護団が構成され、川上氏は、1985年4月26日、福岡県を被告として福岡地方裁判所小倉支部に国家賠償請求の本訴を提起した。県警側は元福岡県警察本部長の前田利明弁護士等、東京から一人、大阪から一人、福岡から三人の弁護士で応訴した。
事件は派出所で発生していた。原告の川上氏の主張は芦屋派出所内でスパイを強要されたというものである。

川上氏のこの主張を裏づける証拠は直後に書いたメモ以外になかった。

被告の警察はそんなことはなかったと否定するに決まっている。三名の警察官と日本共産党員である川上氏の証言のどちらを裁判所は信用するだろうか。 裁判所は多少の疑問があっても、警察官の証言を採用するに違いない。勝敗ははじめから決まっているように見えた。弁護団の仕事はこの三名の警察官がつくであろう嘘を明らかにすることであった。

しかしどうやって。

この圧倒的に不利な状況を覆して国家賠償訴訟で川上勝利判決を確定させた弁護団の創意と工夫をこれから書く。

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