ひょうきん弁護士2 №96 大石豊後高田市議公職選挙法違反事件⑧

誘導尋問の前に異議 ②

弁護人(安部)「異議です。もう、何も言っていないと彼女は言っていますから」

検察官(A)「だから、記憶喚起です」

弁護人(安部)「記憶喚起って、誘導ではないですか。いまから調書を読んで誘導する訳でしょう」

検察官(A)「調書は読みません」

弁護人(安部) 「だって、彼女は何も言っていないと言っているから、何も言っていないことに関する質問は、もう終わりでしょう。彼女は、何も言わなかった、握手だけしたと、こういうふうに言っておりますので」

検察官(A)「ですから、記憶喚起のための誘導をするわけです。それは許されているんじゃないですか」

弁護人(安部)「調書を読むんでしょ」

検察官(A)「調書は読まないと言っているでしょう。調書の該当部分の言葉だけを言うわけです」

裁判長「誘導は許されていると思うんですけれども、調書を読むのではなくて、別の方法で記憶喚起をしてください」

検察官(A)「はい。調書を読むわけじゃないんです。それで、検察庁で取調べを受けましたよね」

証人「はい」

検察官(A)「そのときに、証人のほうから、被告人のほうに何か言ったというようなことをしゃべった記憶はないですか」

証人「いいえ、ございません」

ここで検事の質問は終わった。検察官の誘導尋問はこのようにして見事に阻害された。

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