ひょうきん弁護士2 №179 「橋のない川」 上映拒否事件②

私達は北九州市を相手として、市民会使用承諾を取り消す旨の処分の執行停止の裁判をした。取り消す旨の処分が執行停止されれば、使用承諾が残り市民会館の使用が出来ることになる。

この映画は部落解放同盟が部落差別を助長すると全国的に上映に反対している。北九州市としては、そのような差別を助長する恐れのある映画を上映させることは差別をなくすために、従来から実施してきた啓蒙活動からも真向から背馳すると主張した。

要するに部落解放同盟が差別映画だと言えば、北九州市も差別映画と考えるから上映は認めないという全く非常識な主張である。当然のことながら私達は勝訴した。

判決は、「『橋のない川』はこれを鑑賞する者によって、その評価を異にし、部落差別を助長する影響があるとは認められない」と述べている。

また北九州市は、公の施設「会館」の管理運営にあたっては、市の行政目的に反するような形で管理運営はなさるべきではないことは当然であって、「管理上支障があるとき」の管理とは、単に物的設備としての会館の管理のみでなく、広く行政目的にそった管理運営を指すと主張した。

しかし判決は「『橋のない川』の上映が管理運営上支障をもたらすということは出来ないし、映画の上映ができなければ表現の自由を阻害される事による回復困難な損害を与えることになる」と判断し、執行停止を認めた。

(黒崎合同法律事務所所長)

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