ひょうきん弁護士2 №188 同和保育所事件⑥ 田中さんの訴え Ⅰ

全国部落解放運動連合会の集会での田中さんの訴えは参加者の感動をよんだ。

「昨年4月2日、紫町市民館保育所の入所式で樹、真理子の入所を拒否されました。樹にとっては2年間通った目の前にある保育所です。その日、『どうして、どうして?僕の名札がない。誰がかくした』と涙ぐみ、私のスカートをつかんでとうとう泣き出しました。昨日まで同じ部屋だった子供が新しい名札をつけ、うれしそうに母親の手に抱かれ、どんどん部屋へ入って行きました。

たったひとり樹だけが運動場に残され、砂いじりをしていました。そこに小学5、6年の子供が2、3人きて「樹君、差別されたんだ」と言い、ちょうどその時、保育所に掛けてあった人権週間の看板が目に入ったのか、「あれはインチキやんか」と言っていました。私は今でも昨日の出来事のように思います。

私達は部落解放同盟に所属しておりましたが、昭和51年5月22日同盟休校に反対でした。私は幼い子供を運動に巻き込むのはおかしいと考え、保育所に行かせました。ところが、部落解放同盟は同盟の方針に反したということで私達を除名処分にしました。地元の役員は私達を見せしめだといい、私達夫婦が何か犯罪者のように村八分にしてきました。いいえ、子供たちがされたのです。私にふりかかったことならどんな事でも受けますが、それで子供が保育所に行けなくなるなんてことは考えてもみませんでした。

北九州市の方針とは子供を保育所から追い出し、差別することでしょうか。こんな仕返しは辛すぎます。私は当時、頭がおかしくなりそうでした。その頃、学校も春休みだったので『保育所もお休み』と説明していたのですが、樹の方は、自分は保育所に行けなくなったことを悟ったようです。目の前の保育所から聞えてくる子供達の歌声に心がせかされ、毎日のように家のへいの中からじっと見ていました」。

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