ひょうきん弁護士2 №188 同和保育所事件⑦ 田中さんの訴え Ⅱ

『朝の体操の音楽が流れると、お母さん一緒にしよう』と云い、無邪気な樹の横顔を見てはかわいそうで陰で泣いたこともたびたびでした。私も樹も買物以外は外へ出ませんでした。雨が降ると『樹ちゃんの名札、どこかへ流れたかなあ』。いつもそんなことばかり言っていました。

ある日、とうとうおもちゃ箱から古い名札を見つけ出してころげるように私のそばに来て、『お母さん、樹ちゃん自分でみつけたよ』と、名札を胸に付けて大喜びしました。私は一瞬ドキッとしました。樹は陽気で感受性の強い子です。『三つ子の魂百まで』と云いますが、樹も何かと傷ついているのです。幼い心を傷つけた、この怒りを私は忘れることができません。

入所手続の用紙にはどこにも部落解放同盟の印を押すところはないのです。裁判でも市立保育所に解同印は不要とはっきり決着がつきました。にもかかわらず、市はこれを不服として控訴していますが、こんな幼い子供を相手に大人が寄ってたかっていじめるのはどういう了見でしょうか。

夫婦喧嘩もたびたびしました。また私はこの問題をかかえて一年間、弱音を吐くこともたびたびでした。それでも正しい節だけでも守り通そうと思っていますが、こんな小さな子供を差別する今の同盟方針では決して差別はなくならないと思います。私達夫婦がとった処置は樹が大きくなった時、自信を持って話せるよう、また、子供もきっとわかってくれることを信じてこれからも皆さんに支えられ、学びながらがんばります。よろしくお願いします」。

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