ひょうきん弁護士2 №189 同和保育所事件⑧ おわりに Ⅲ

判決は裁判官が書く。従ってその裁判官の心を捕えない限り裁判には勝てない。そしてその裁判官は石川達三の「青春の蹉跌」にあるように競争の社会を勝ち抜き、エリートとして教育を受けてきた人達である。

私達はその裁判官の心を動かして判決を勝ち取らなければならない。この裁判官は私達のいい分を聞いてくれないから、あるいはこの裁判官は反動だから変えてくれと言ってもそれは不可能である。どんなに反動的な裁判官であろうとその裁判官から判決をもらわなくてはならない。

その裁判官の心をとらえるのは弁護士の理屈ではない。裁判の当事者の真実の訴えである。樹ちゃんの裁判を勝利させたのは、母親の田中かよ子さんの訴えである。

私達弁護士の仕事はこの原告本人の訴えを裁判所に正確にそして迫力をもって伝えることである。そのためにはこの原告本人の立場を理解し、そしてできうる限り、この原告本人と同じ立場にたたなければならない。

私達は2日に1回は田中さんの家を訪れた。仕事だけではない。この田中さんの苦しみ、自分のことなら自分で選んだことだから耐えうるが、自分が選択したことで自分の子どもが被害者になる。この母親の苦しみを自分の痛みとしなければならない。

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