ひょうきん弁護士2 №21 破産管財人 2

破産管財人には尾崎英弥弁護士が就任し、我が事務所の弁護士全員が常置代理人となり、尾崎弁護士の補佐を務めることとなった。

横光弁護士が本社と佐賀や広島などの支社へ電話をして、事務所にある現金を全部持って福岡地方裁判所に来るように指示をした。

支店長たちが現金を持って裁判所にやって来た。本社や各支社には数10万円の現金しかなかったが、佐賀支店だけは500万円の現金を持ってきた。どうしてそんな大金を保管していたのかを聞くと「本社から現金を送れ、現金を送れと言ってくるので、これはおかしい、倒産するかも知れないと思って現金は送りませんでした」と答えた。女性の支店長はしっかりしていた。

本社も支社も賃貸物件なので早く立ち退かないと家賃が発生する。各弁護士で手分けして賃貸借契約の解除に走った。敷金が入れてあったが、賃借人には現状回復義務があり、それと相殺され、回収はできなかった。
太陽トラベルはタビックスという商品券を大量に売っていた。これは毎月1万円を十か月支払えば、11万円の商品券を太陽トラベルが発行するというものだった。商品券をもらった人はいいが、途中の人は債権者になった。会社に確かに1億円の預金はあったが、銀行に相殺された。会社の不動産はなく、社長の自宅が銀行の担保になっていた。

結局債権者は1万人を超えたが配当するだけの財産はなかった。労働者の未払賃金については昭和51年に賃金の支払い確保等に関する法律が制定され、その8割を政府が立て替え払いをすることになっているので、その手続きをした。

債権者が1万人を超えるが、1万人を収容できる会場は裁判所にはない。債権者集会は戸畑市民会館で開いた。ほとんどの債権者は諦めて債権者集会には来ない。通常は社長が来て債権者に謝罪をするが、社長は逃げて私は一度も会ったことがなかった。債権者集会にも出て来なかった。債権者はその誠意のなさに怒ったが、私達はどうすることもできなかった。

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