ひょうきん弁護士2 №90 大石豊後高田市議 公職選挙法違反事件①

公選法違反事件続出

私は1971年4月に弁護士になった。その年の2月に北九州市長選挙が行われ、三浦久弁護士が立候補し善戦した。4月に刀根安彦氏が徴税吏員なのに選挙運動をしたことを理由に起訴された。その年の参議院選挙では塚内浩之北九州市議会議員が起訴され、私がこの2つの事件を担当した。

その後、高智彦福岡県会議員も公職選挙法違反事件で起訴された。既に1969年は尾場瀬先生が、70年の地方選挙では中垣多恵行橋市会議員と駒谷苅田町会議員が起訴されていた。

このように私が当時所属していた北九州第一法律事務所はたくさんの公選法違反事件を抱えて苦労していた。

私は司法研修所23期、吉野高幸弁護士が20期、河野善一朗弁護士が21期、私たちはまだ20代の経験のない弁護士達で長期かつ頑強に闘った。

公訴権濫用と公職選挙法の文書規制と戸別訪問禁止は憲法違反という2本の柱を立てて闘ったが勝利の展望は私にはなかった。1回1回の法廷をどう闘うか、それだけで精一杯で小心者の私は気が重く、公職選法裁判のある日は昼ご飯が食べられなかった。

9年間闘い、刀根さんは死亡し、公訴棄却、塚内市会議員は罰金1万円、公民権停止なしとなった。その他の事件もいずれも10年の裁判を闘い、罰金刑で公民権停止はなかった。

この頃、日本全国で公職選挙法違反の弾圧事件が発生し、全国の自由法曹団員が闘っていた。そこで全国で公職選挙法違反事件の交流集会を被告人、支援者、弁護団で行い、闘いの方法を学んだ。そうしてこうした長期かつ頑強な闘いの成果として全国で公選法違反事件はなくなった。

大分県豊後高田市の大石市議の事件が発生したとき、私はいずれ不起訴になるだろうと考えていた。ところが私の甘い期待は裏切られて大石市議が起訴された。私は直ちに弁護団に加わることを決意した。

また再び30年前のような公選法違反の弾圧事件の続出を防止するためには、この大石事件に全国の力を集中しなければならないと考えたからである。

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