ひょうきん弁護士2 №109 第一章 こんちゃんと僕 隣の喧嘩は面白い

僕たちの隣に薬剤師の夫妻が住んでいました。この夫婦も僕たちと同じように毎日、よく喧嘩をしていました。

僕たちが喧嘩をしていると隣でも喧嘩が始まります。

「おい、こんちゃん、始まったようだよ」二人とも喧嘩を中止して耳を澄まします。ガタン、ゴトンと物を投げる音にまじり大声が聞こえてきます。僕たちはべランダに走ります。ペランダからは隣の会話がよく聞こえるのです。

「きょうは言うちゃる」

「そうだ、言え言え」と僕は小声ではやしたてる。

「何を言うんね」

「もうちょっと、椅麗に片付けたらどうか」

「片付けとるやないね」

「お前、これで片付けとると言うんか」

「そうですよ」

「これはなにか」

と亭主が何かで打ったようです。

それからガタンと、奥さんが何かを投げたようです。続いて奥さんは手当り次第に物を投げ、亭主は逃げたようです。少し物音が聞こえにくくなりました。

「あなた、風呂場のほうが聞こえるかもね」とこんちゃんは誘います。

「うん、玄関のほうに行ったみたいだ」

隣の玄関は我が家の風呂場と同じ向きなので、ここもよく聞こえるのです。二人は風呂場に移動し壁に耳をつけます。

「人のことばっかり言うて、きのうはあなた、なんで遅かったんね」

「仕事ですよ」

「仕事、仕事って夜の夜中に仕事があるわけないでしょ」

「男には付き合いというものがある」

「付き合い、付き合いって誰と付き合っているか分かったもんじゃない」

「俺が誰と付き合うとるというんか」

「三共の田中さんと怪しいと、私聞いたわよ」

「田中さんとは仕事上の付き合いじゃないか」

「夜の夜中に田中さんと二人きりの付き合いはないでしょ」

「お前、疑うのか」

「勿論ですよ」

「クソ、面白くない。ちょっと飲んでくる」

とドアをバタンと締めて亭主は出ていきました。

こんちゃんと二人

「もうちょっとすればいいのに」

「でも夫婦喧嘩ってみっともないわね]

と話し、こんな夜は二人仲よく眠るのです。

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