ひょうきん弁護士2 №115 第一章 時計

長男肇と二人で潮干狩に行きました。帰ってきて、まだ寒かったのでストーブに火をつけました。しばらくすると異様なにおいがして、黒煙を吐き出しました。

見ると、ストーブの上に置いた時計が燃えているではありませんか。あわてて肇と二人で火を消しました。窓を開け、空気の入れ換えをしても、そう簡単ににおいは消せません。

「肇、困ったな。またお母さんにたたかれる」

その時はこんちゃんはどこかけお出掛けでした。困った、困ったを連発していると、こんちゃんが帰ってきました。

「あら、何かにおいがする。おかしい。あんたたち、また何かしたね」

僕と肇は黙っている。

「黙秘権を行使するつもりね。それならそれでいいよ。でも後で分かったら、ひどい目に遇わすからね。今の内に白状したほうがいいよ」

僕と肇は黙っている。

「あんたたち、しゃべったほうがいいよ。どうせすぐ分かるんだから」

と言いながら、何か証拠はないかと部屋中を探している。僕と肇は既に証拠物件は隠してしまっていました。

探しても証拠は見つからないとこんちゃんは怒って

「こら、肇、白状しなさい」と肇を叩き出した。

「白状するまで叩くんだから。あんた肇が可哀そうと思わないの。いい加減にしなさい」

仕方なく僕が白状する。

「あんた、ストーブの上に時計が置いてあるのにきがつかなかったの」

「いいや、気が付いていた」

「じゃあ、この時計はプラスチックだから、燃えるということが分からなかったの」

「プラスチックが燃えることは知っていた」

「じゃぁ、どうしてストーブに火をつけたの」

「いや、時計がストーブの上に置いてあることは分かっていた。ストーブに火をつけると、プラスチックは燃えることも分かっていた。しかし、この時計が燃えることはその時分からなかった」

こんちゃんは怒って

「死ね」

と僕をまた殴りました。殴られても仕方のない事件でした。

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